「階級社会」それこそが多チャンネル化を求められた理由なのではないだろうか

例の四国在住のTwitterユーザに対する個人攻撃から2日も経たないうちに谷本のおばちゃんの投稿をまとめて得意げになっているよう。

「日本はアジアや東欧以下のケーブルテレビ後進国」元国連職員が明かす衝撃の事実 – Togetterまとめ

谷本のおばちゃんでもそうであるが、そもそも日本においてなぜ多チャンネル化が要求されなかったのかということであろう。仮にそれが要求されていたのであれば、今頃日本においても衛星放送は爆発的に普及していたと思われるが。

そういうわけで、考えられる理由としてはテレビ放送が開始し、普及しだしたころにはすでに民間放送が存在し、まさに「一億総中流」の時代であったことやバブルで所得が増えだしたことが日本において多チャンネル化が求められなかった理由なのではないだろうか。

まず、日本で「子供のころはNHKしか見せてもらえなかった」なんて家庭はごく少数であり、それを口にすると珍しがられるほどである。つまり、民間放送の「低俗」とされるような番組であっても日本においては多くの人々が視聴していたということは日本に目立った階級や人種、民族といった国民を分断する壁が無いということであろう。

逆に、欧州においては「階級」、アメリカ合衆国においてはそれに加えて「人種」、「民族」という形で国民が分断されており、そういう意味でも多様性が求められたこと、それが欧米において多チャンネル化が求められた理由なのではないだろうか。

一方でアジア、特に台湾や大韓民国に関してはつい最近まで民間放送においても政府や軍が介入していたことにより魅力あるコンテンツがそこまで作られなかったことからより魅力あるコンテンツや外国の番組(過去には日本のBSもその対象になっていたこともある)を提供しているケーブルテレビが普及し、それが今に至るまで続いているのではなかろうか。

ちなみに、日本においては昭和28年2月のNHK開局からわずか半年ほどで日本テレビ、2年ちょっとでTBS、それから2年後に日本教育テレビ(今のテレビ朝日)、フジテレビと10年も経たないうちに4局が開局し、昭和61年1月には当時の郵政省が全国民放4波化計画を打ち立て、それから10年後には本州の大半の地域で遠距離受信やケーブルテレビなどの手段を利用するなど、なんかしらの形で地上波民放が4局以上視聴できるようになった。4局では少ないと思われるが、当時の技術からすると致し方のなかったことであろう。

それらは台湾や大韓民国のテレビ局が政府や軍の介入から離れるはるか昔の話である。

他にも、貸しレコードやウォークマンに代表されるヘッドホンステレオ、カーオーディオ、オーディオブーム、テレビゲームという形でテレビに対抗する娯楽がある程度存在し、高度経済成長期からバブル期においては所得水準が向上していたことから余暇活動も充実でき、テレビにそこまで重きがおかれなかったことも理由といえるかもしれない。

つまり、早期に政府から離れた位置にある民放が開局したことにより、今でも語り継がれるような魅力あるコンテンツが昔から作られていたことや日本国民が階級や人種、民族という形で分断されなかったことから国民のほぼ全員が同じものを楽しめたこと、そして日本のテレビの歴史が高度経済成長やバブルと共にあったことやその時代であってもある程度競合する娯楽があったことから、日本において多チャンネル化が求められなかった理由なのではないだろうか。

そして、インセンティブ制度をはじめとした携帯電話キャリアによる普及促進施策により過去には高性能携帯電話、今ではスマートフォンが日本においては世界的に見て早いうちから多くの人々に普及している。すなわち多チャンネル化が求められ、衛星放送のディジタル化でそれが実現できるようになった頃にはすでに携帯電話や一部ではパソコンが普及しはじめていた。そういった事情もまたテレビの多チャンネル化が求められなかった理由としてあげられるかもしれない。

そういう「国民の分断」などの必要とされた理由や各国のメディア事情や趣味趣向を無視したうえで「日本のメディア事情は遅れている」と主張する行為はなんぼなんでも暴論と言えるのではないだろうか。

それ以前に、私でもそうであるが多くの日本人にとって遠く離れた外国の情報よりもまずは行動範囲である身近な地域のニュースや天気予報が重要と考えるのは当然であろう、そういう人々の意識が低いと叩くことは容易ではあるかもしれないが、今の日本社会は意識が低い人々の汗と涙の結晶によって生まれていることを緯度おじさんや谷本のおばちゃんをはじめとした「意識高い系」と呼ばれる人々は認識する必要があると思われる。

特に、谷本のおばちゃんみたいな各国の市場調査に関わってきたような人であればなおさら各国の事情や国民の趣味趣向について理解している以上、それを考慮した上で話をするべきではなかろうか。

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