ソニー、約6,100万画素のフルサイズミラーレス「α7R IV」9月に国内発売

正直誰がどういった被写体を撮影するために使用するのかという観点から考えると全く想像がつかない。

ソニー、約6,100万画素のフルサイズミラーレス「α7R IV」9月に国内発売 – デジカメ Watch

「クロップしてもある程度解像度が維持される」という主張であっても、望遠を必要とする被写体を中心に撮影する人はすでにレンズという形でシステムを揃えているはずであろう。

そういった人々は10年ほど前に販売された中級機や今現在販売されている入門機にそのレンズを装着すれば自身の撮影したい被写体が十二分に撮影できることはすでに理解していることであろう。

そもそも望遠主体であれば逆にレンズが大型化し、不利と言えるライカ判ではなくAPS-Cやフォーサーズといった望遠システムをより小型化できる選択肢も現在は存在する以上、それらを利用している人も多いことであろう。

出力サイズにしても全紙に刷り出す場合であっても2400万画素あれば十分と言われており、仮に「ハイアマチュア」と言われている人であってもそういう機会は稀であろう。

その点に関してもよりセンササイズの大きな中判カメラを選べばさらに有利になるわけで、所謂「ボケ表現」や「階調表現」、「ダイナミックレンジ」にしても同じく中判カメラが有利となる。

一方で所謂「入門機」を買うような人の撮影した写真の使い道を考えるとインスタグラムをはじめとしたSNSに投稿する、データのまま残しておく、もしくはL判や2L判程度の大きさに刷り出す程度であることが予想され、それらの用途であれば1000万画素でも過剰性能と言える。

また、当機では重視されていないものの、高感度耐性にしても明るいレンズを使えば舞台や室内スポーツの撮影であってもISO算術表記で100万を超えるようなべらぼうな値を必要とせず、ISO6400/39°程度の感度で十分対応できることはすでに理解しているはずであろう。

「暗いキットレンズを用いて手持ちで夜景や暗所で高速に動く被写体が撮影できる」、「あらゆる側面で写真表現が広がる」というメリットを挙げるのであれば、そもそも(事情を理解した人を対象とした)そんな高額なカメラに搭載し、それを表に出す意味はなく、逆に入門機にこそそれらの機能を積極的に搭載し、その機能をアピールするべきなのではないだろうか。

そう考えると、こういったべらぼうな性能をうりにしたいわゆる「ハイアマチュア機」や「プロ機」と呼ばれるカメラのターゲットやそれを毎年のように購入するような人が誰なのかが見えてくる。

もちろん「事情を知っている玄人」や単なる「写真好き」で現状に満足している人はそんなものに手を出さず、たとえ「プロ」であっても機材は壊れた時に必要なものを買うというだけの話であろう。

正直メーカーとしてもカメラに興味を持ち、安価な入門機を購入するような新規顧客や現状に満足し、機材を買い換えない、もしくは中古で必要なものだけを購入するだけで済ませる「単なる写真好き」や「玄人」、壊れるまで買い換えず、むしろ宣伝効果を狙い優遇することでさほど利益にもならない「プロ」よりも高価格帯の新型カメラを販売するやいなや毎年のように積極的に購入してくれるような金が余っている所謂「カメラオタク」の「初中級者層」に頼らざるおえない状況となっているのかもしれない。

だが、そうなる原因を作ったのはある意味カメラメーカーや業界関係者にも原因はあるのではないだろうか。

カメラメーカーや業界関係者も一切行っていないわけでもなく、逆にWebサイトに様々な撮影シーンに対する情報を掲載、学校の写真部辺りに情報誌を配布するなど積極的に行っているメーカーも存在するが、個人的には業界による「写真文化」の啓蒙や普及活動という側面に原因があるのではないかと思われる。

結局それが単純に「高額な機材を必要もない人に販売する」ことが目的となっているのではないか。

本来であればそういったメディアや普及活動は「写真を楽しむ」、「新規参入を促す」、「周囲の理解を仰ぐ」という点に重点を置くべきであり、そう考えると業界関係者とは言い難いものの写真を主軸としたSNSであるInstagramやTwitter、Facebook、日本においてはmixiといった写真を投稿できるSNSサービス、携帯電話にスチルカメラを搭載し、それで利用できるサービス(写メール)を提案、普及活動を行なったJ-PHONE(現ソフトバンク)やそのJ-PHONEからの要請を受け対応端末を販売したシャープのほうがよほど写真文化に貢献したと言えるのではないだろうか。

他にも写真撮影を目的とした鉄道ファン、所謂「撮り鉄」による一般市民および鉄道会社関係者に対する各種迷惑行為三脚や一脚利用における迷惑行為という側面も各種機材の利用や撮影地でのマナーという側面に対する啓蒙がなされていない、もしくは三脚やフラッシュを使わずに撮影する方法、被写体に障害物が入り込んだ場合における対処法についてメディアで取り扱ってきたことがないというのも原因と言えるのではないだろうか。

それに関連してソフトウェア的なアプローチというのも必要なのではないだろうか。

過去に「撮り鉄」が勝手に場所を占有した上で入場料を徴収していたという話も有名ではあるが、前述の鉄道車両や景勝地、モデル、各種イベントのような予め撮影者が群がると予測されるような被写体に関してはそれを撮影するための場所を確保するために道路占有許可を取得する、もしくは土地を所有している近隣住民や企業、鉄道会社と協議した上で業界関係者主催でイベントを開催する、何らかのイベントであればそのイベントの主催者と協議しカメラマン優先エリアを確保するといったことも不可能ではなかろう。

前述の迷惑行為が続けば将来的にカメラを持ち、写真や動画を撮影しているカメラマンそのものが白い目で見られることにもなる。そうなればいうまでもなく「写真文化」もくそもない。

カメラメーカーをはじめとした写真業界にもう少し良心があるのであれば、単に「カメラ」や「周辺機器」というハードウェアを売るだけではなく前述の通り「写真文化」という側面からのソフトウェア的なアプローチを行い、そこから収益を得る手段を考えることも必要なのではないだろうか。

例え「入門機」とは言えども露出の制御ができ、適切なレンズを組み合わせることができれば立派な「一眼レフカメラ」であり、場合によっては上級機に劣らないくらいに美しい立派な写真を撮影することができる。

John | Flickr
(EOS 400Dは日本ではEOS Kiss Digital Xとして販売されている所謂「入門機」)

前述の「玄人」はそれを知っているがために安易にべらぼうな性能を搭載した上級機に手を出すようなことをしない。

だが、仮にそういった人々であっても前述の「ソフトウェア的なアプローチ」ができればお金を落としてくれる可能性は高い以上、業界関係者は意識を入れ替える必要があるのではないだろうか。

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