ソニー NW-ZX1

NW-ZX1 正面

かつて7万円ウォークマンとして鳴り物入りで発表された同機種であるが、今では中古市場で状態のいいものであれば3万円程度、付属品欠品や汚れ、傷が目立つなどの問題のあるものであれば2万7千円程度、破損しているものであれば2万円程度と比較的手ごろな価格で販売されるようになってきた。

今回Android OS搭載ウォークマンにプリインストールされている音楽再生プレーヤーでのメタ情報の取得のための実験用として、何でもいいからAndroid OS搭載ウォークマン実機の購入を検討していたところ、前述の通り比較的手ごろな価格で購入でき、かつ実験が完了してからも比較的楽しめそうなこと、出始めに神戸の家電量販店で試聴し、ER-4Sが音量ゲージの半分以下で鳴らせるほど駆動力の高いアンプを持っていることなどから同機種の購入に踏み切った。

NW-ZX1 正面

正面はこんな感じ。画面が暗いように感じるが、最暗状態で比較的明るい部屋でもある程度の視認性は確保されている。ただ、最近の携帯電話のように画面表示の高画質化機能や高品質なディスプレイを搭載しているわけではないからか、音楽ファイルのメタデータに貼り付けたジャケット写真の表示品質から見て白とびしていたりとあまり良いと言えるものではない。

平成29年6月4日訂正

液晶パネル自体は同社のグループ会社の携帯電話とほぼ同等のものを搭載しているとのことらしいが、今までに同社のグループ会社の携帯電話を数機種使用してはいるものの、ここまで肌色が白とびしていたりといった記憶は無い。

NW-ZX1 特長 : 高音質・高画質テクノロジー | ポータブルオーディオプレーヤー WALKMAN ウォークマン | ソニー

グループ会社間で共通の部品を使用することによるコスト削減の意味合いもあるのかもしれないが私にはその差が歴然とわかるため、せっかく高品質なパネルを搭載しているにもかかわらずもったいない話とは思うが、同機種の主軸は音楽に置かれている以上は仕方ないことなのかもしれない。

NW-ZX1 右側面

右側面に音量や再生/停止、送りをはじめとしたすべての操作釦が配置されているため、胸のポケットに入れた状態で音量を調整したい、楽曲を送りたい、再生/停止したいといったことは難しい。

NW-ZX1 左側面

左側面は何もない。

NW-ZX1 下部

下部に外部機器接続用の端子類が配置されており、左からヘッドホン、WM-PORT、ストラップホールとなっている。

NW-ZX1 裏面

裏面には人工皮革が貼り付けられており、さわり心地は良い。ちなみに下部が膨らんでいる理由はそこに大型のコンデンサや極太ケーブルが入っているため。

ウォークマンのロゴ部分はスピーカーとなっているが正直その品質はあまり良くなく、音の確認程度にしか使えない。

OSバージョン

搭載されているOSはAndroid 4.1.1。OS自体は用途を限定すれば今でもある程度は使えるため、PDA代わりに使えるのではないかと考える人もいるかもしれないが。

NW-ZX1 ストレージ

このように、1GBとユーザ領域が当時の携帯電話としても非常に小さいため、PDAやゲーム機のようにソフトウェアを大量に入れて使いたいといった用途に対応できるものではない。ただ、私の環境ではradikoとらじる★らじる、Slingboxの視聴用ソフトウェアのインストールはなんとかできたが、前述のPDA的な用途に使用するのであれば素直にiPod touchを購入するべきであろう。

性能からしても1GHzの2コアCPUと主記憶が1GB程度とそこまで性能が高いものでもないためやはり動作に緩慢さが見られ、音声補完機能(DSEE HX)を有効にした状態でYouTubeの動画を再生させるとコマ落ちするほどであり、そういう面から考えてもやはりPDAやゲーム機の代わりに使えるものではない。

NW-ZX1 無線LAN

このように、無線LANも利用できるため、外出先でYouTubeの動画を視聴したり、前述のラジオのインターネットサイマル配信も公衆無線LANや無線LANルータ、携帯電話によるテザリングなどで通信環境を用意してやれば利用することが可能。他にもBluetoothでワイヤレスヘッドホンを利用したり、GPSで地図ソフトウェアを利用したりといったこともできる。

W.ミュージック

音楽再生は搭載されているW.ミュージックアプリケーションで行う。ソフトウェア自体は特に使いにくいということはないが、Ogg Vorbisに関しては転送しても同ソフトウェアで再生はできなかった。ただ、Google Playミュージックなどの他社製ソフトウェアでは再生できるため、特に問題は無いと思われる。これもAndroid OS搭載による利点の一つと言える。

ちなみに同ソフトウェアで同社の関連会社であるソニーモバイルコミュニケーションズ製の携帯電話と同じ形で再生中の楽曲のメタ情報を取得することはできないようであった。

一応取得できないことは無いらしいが、停止や再生、送り、再生完了など再生状態の変化の情報を投げてはいないため、状態変化に合わせて別ソフトウェアで自動処理させるみたいなことは難しいと思われるが、これに関しても前述の通りAndroid OSを搭載しているため他社製ソフトウェアを利用することで対応できなくはない。

あと、細かい点ではあるがフォントの汚さが若干気になるところであった。

NW-ZX1 再生画面

再生画面はこのような形でiTunesで登録したアートワークもきちんと表示され、それの表示部を左へ向かってスライドすると。

NW-ZX1 楽曲詳細表示

詳細なメタ情報や楽曲の時間、音声フォーマットやビットレートが表示される。

NW-ZX1 プレイリスト表示

右へスライドするとプレイリストが表示され。

NW-ZX1 歌詞表示

上の「歌詞表示」釦(画像赤線で囲んだ部分)を押すと歌詞が表示される。ちなみに、現在表示されている内容はiTunesであらかじめ登録したものである。

USB認識

最近の日本国内向けウォークマン(とはいってもNW-X1000シリーズからであるため、もう10年近く前の話になるが)はパソコンに接続すると初期状態ではUSB Mass Storageで認識されるようになっており、転送に関しても専用のソフトウェアを用意する必要はなく、ユーザ領域内のMusicディレクトリに対応している音声ファイルをコピーすれば再生できる。

そのため、前述の通りUSBに対応し、FLACやMP3など同機種で再生できる形に楽曲をエンコードできるソフトウェアを用意すれば動作確認は行っていないがWindowsだけではなくLinuxや*BSDをはじめとしたUSBに対応しているUNIXやそれの互換OS、Macintosh、前述の通りOSでUSB Mass Storageに対応していればWindows 2000やMe、Mac OS 9など、現在サポートされていない古いOSでも使えるのではないかと思われる。

標準で使えるユーザ領域は約113GB(転送した音声ファイルの合計は26.3GB)、ほぼ全領域が使えると言える。

私は以前にウォークマンのD級増幅器搭載機を数機種(型番不明のMDウォークマン、MZ-RH1NW-X1060)使ってきた。

iPodから乗り換えてその音の曇りのなさに驚いたMZ-RH1のHDデジタルアンプからNW-X1060のS-Masterへ進化した際に「ソニーの割に」と言ってしまうと失礼ではあるものの、若干低域が誇張されているような感じを受けるHDデジタルアンプと比較してその誇張のないクリーンな音質には驚いた(昔のソニー製品はESシリーズの製品を除いてはその対象とする顧客層からか若干テンションが高めの音質に調整されていた)わけであるが。

NW-ZX1ではそれを引き継ぎ、さらに強化されたアンプにより前述のER-4Sのような若干インピーダンスの高いヘッドホンであっても、大口径のドライバを搭載したオーバーヘッド型のようなヘッドホンであっても、300Ωのような極端にインピーダンスの高いヘッドホンでもない限りは大概のヘッドホンに対応できるのではないかと思われる。

NW-X1060で若干目立っていた白色雑音も割と抑えられており、そのあたりでも正常進化を感じさせるところである。

ちなみに、転送した音楽ファイルの形式はLame(コマンドラインオプション”-V0 –vbr-new”)でエンコードしたMP3ファイルとCDをそのままリッピングし、圧縮をかけたFLACファイルであるが、MP3を再生してもその音質の良さは実感できるものである。

他、同社の関連会社であるソニーモバイルコミュニケーションズの携帯電話、Xperia A4(SO-04G)と比較してもアンプの駆動力不足からかそういう調整からか正直わからないが、ER-4Sを使うとどうも高域が誇張されたような音質が気になっていたものの、NW-ZX1ではそういうこともなく、Xperia A4と比較すると若干アンプの駆動力が上がるiPhone 5sと比較しても低域から高域まで曇りが晴れたその音質は素晴らしいところではあるが、ただiPhoneもXperiaも携帯電話のおまけ機能と考えると十分健闘していると考えられ、そこは「好み」と言えるところなのかもしれない。

そういうわけで、7万円ウォークマンにそのプレミアがあるかと考えると……私は残念ながらオーディオファンを除く層に対してそれを訴求することは難しいのではないかと考えている。前述の通り携帯電話の音楽再生機能も十分健闘しており、機能拡張の余地の無さから考えたところでもやはり私も「何を買えばよいか」と聞かれた場合、やはりiPod touchを人に勧めることであろう。

ただ、「音質」や「設計」、「ハイレゾ再生」に対して金が出せるオーディオファンに対しては話は別であるが。

平成29年5月19日2時29分追記

当機をUSBデバッグを有効にしたうえでWindowsマシンに接続し、その上で動作しているDDMSに認識させる方法であるが。

まずは端末のUSBデバッグを有効にしてWindows搭載機に接続すると「WALKMAN」というデバイスが認識されるが。

デバイス「WALKMAN」

それのドライバが見つからないとエラーが表示される。ドライバ自体はGoogleが配布しているAndroid Composite ADB Interfaceドライバで問題なく使用できるらしいが、そのドライバには当機の情報が記録されていないため、認識されない。

そのため、ソニーのWebサイトを参考にしながら当機の情報をGoogleが配布しているドライバに加える。

Androidアプリケーション開発者向け情報 | NW-ZX1 | 製品別サポート | ポータブルオーディオプレーヤー WALKMAN ウォークマン | サポート・お問い合わせ | ソニー

前述のAndroid Composite ADB InterfaceドライバはAndroid Studioを標準設定でインストールした場合、「C:\Users\[ユーザ名]\AppData\Local\Android\sdk\extras\google\usb_driver」に記録されているため、まずはそのディレクトリを開く。マイコンピュータのアドレスバーにその位置を入力するとおそらく開くはずである。

Android Composite ADB Interfaceドライバ

同ディレクトリ内に存在する「android_winusb.inf」を開き、下記項目を「[Google.NTx86]」「[Google.NTamd64]」直下に追加し。

;SONY NW-ZX1
%CompositeAdbInterface% = USB_Install, USB\VID_054C&PID_089B&MI_01
%CompositeAdbInterface% = USB_Install, USB\VID_054C&PID_089D&MI_01

「C:\Users\[ユーザ名]\.android」内にある「adb_usb.ini」の最終行に下記項目を追加する。

0x54c

そして、デバイスマネージャーの「ほかのデバイス」項目にある前述の「WALKMAN」のプロパティを開き

WALKMANのプロパティ

「ドライバの更新」を押し、「コンピュータを参照してドライバソフトウェアを検索します」から先ほど情報を書き加えたドライバの位置を指定してやると無事にドライバがインストールされ。

DDMS

このようにDDMSできちんと認識される。

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