新4K8K衛星放送の認知度は約2割に増加、4Kテレビ所有は6%。A-PAB調査

4Kテレビそのものの普及はあり得る可能性は極めて高い。だが、それに関しては消費者による自発的なものではなかろう。

つまり、たまたま壊れたテレビを買い替えたら4Kに対応していた程度のものであり、スーパーハイビジョンの技術そのものやそれで視聴できるコンテンツに対して魅力を感じ、買い替えるものではないとわけである。そう考えると、前述のとおり「解像度の高いハイビジョンテレビ」として使われるだけというオチではないのだろうか。

新4K8K衛星放送の認知度は約2割に増加、4Kテレビ所有は6%。A-PAB調査 – AV Watch

4K放送の視聴意向については、2018年9月時点で4K放送を視聴したい人が全体の39.9%で、2月時点(40%)から横ばい。8K放送の視聴意向は35.4%で、2月(36.2%)から微減となった。4Kテレビ所有者の割合は、2018年2月時点で6%(前年5%)となった。

そもそも、BSでの本放送開始以前から4Kコンテンツの提供はビデオソフトやゲームソフト、BS以外の衛星放送(スカパー!プレミアムサービス)やInternet配信を通じて消費者に対して行われている。場合によっては実際に家電店をはじめとしたテレビ売り場のデモ映像で視聴したという人々も多いことであろう。

最近はメーカーを選ばなければ5万円程度、日本メーカーの製品でも10万円強という価格で4Kテレビが手に入るような時代になったが、そのような状況下にあっても4Kテレビの普及率は現在1割に届かず、視聴意欲も約4割に留まるということは多くの人々は「4K」に期待していないということであろう。

それ以前に、スーパーハイビジョンの真価を発揮できるような大型テレビの今後の出荷動向も怪しいものである。

4Kテレビ累計出荷台数が500万台を突破。9月出荷金額の7割に – AV Watch

そもそも、現在稼働するテレビの性能に不満を感じ、買い替えるような消費者の客層はどういう人々なのか。そう考えると、現在わずかに伸びているとされている50型以上の大型テレビの出荷台数の伸びというのもいつかは頭打ちになる可能性は極めて高い。

テレビは大切に扱えば10年程度、下手すりゃ30年程度は軽く使えるものである。そう考えると、テレビに画質や性能を求めない人々が地上波のディジタル化が行われた際のように一斉に買い替えるということはなかろう。場合によっては地上波のディジタル化以前に購入されたブラウン管のテレビにコンポジットケーブルでチューナを接続していまだにそれで視聴しているという世帯も存在するのではないだろうか。

仮にそういった人々が購入するテレビというのは最低限の性能を持ち、安価かつほぼ同じ大きさのものになる可能性は極めて高い。つまり、以前32型を使用していた場合はそれと同じか場合によっては一回り大きい37型が選ばれる可能性が極めて高いというわけである。

最近は家具を処分するにしても金がかかる。そう考えると、既存の家具や住宅設備の兼ね合いでそれに収まるサイズのテレビを求める人々も多いことであろう。誰がわざわざテレビのために既設の家具を処分したり、テレビの周りに置かれた物を処分してまで大型テレビを導入しようと考えるのだろうか。

上記のような意見が出るのも当然であろう。

少なくとも、大都市部においてはわざわざテレビに頼らなくとも街を歩けば娯楽があふれかえっている。ちなみに、「大都市」の代表ともいえる東京都は今、転入超過の問題で悩んでいるほどである。

しかも、日本国内に居住している限りは国外のように治安の問題や猛獣に襲われるといった危険もないことから、夜間に気軽に外出できないということもない。女性が夜間に街中を歩いていてもさほど問題は起こらないほどである。

国外においてはそういった背景もあり、Internetによるレンタルビデオや通信販売が普及し、銃所持の規制に反対する声が出ているわけであるが、国外の実情と異なる以上、それが簡単に当てはまることはまず考えられない。

まだ、山奥や田んぼのど真ん中の集落、離島のような、街の繁華街に出るのに相当時間がかかるような場所に住んでいるというのであればテレビが貴重な娯楽になっている可能性は否定できない。現実、東北地方の豪雪地帯となっているとある県ではそれに加えて冬季に外出することが容易ではないことから、肥満をはじめとした生活習慣病が社会問題になっているという話も聞く。

そう考えると、前エントリの通り「テレビを捨てる人々」というのもこれから増えてくるのではないだろうか。

仮に、テレビを頻繁に視聴する人の話題に合わせるため、最新のテレビドラマや一部のバラエティを確認しておきたいというニーズであっても最近では携帯電話の動画配信サービスで事足りる。ニュースや天気予報、人によってはスポーツの試合の結果にしても携帯電話の情報サイトで片づけているという人々も増えてきている以上、今後テレビを捨てる人々も確実に増えていくのではなかろうか。

しかも、視聴者がテレビに対して求めているものはあくまで「画の出るラジオ」であり、テレビの映像表現をフルに活かした「テレビでなければ表現できない」コンテンツは今の地上波放送にはほとんど存在しないし、求められてもいない。

そう考えると、一部の視聴者がテレビからラジオへ移行する可能性がないとは言えない以上、そういう側面でも「テレビ」を捨てる人々は増えてくるのではないだろうか。

つまり、スーパーハイビジョンカメラで撮影された映像を視聴するのはもはや人間ではないのかもしれない。

平成30年11月13日 0時45分追記

4K化でテレビドラマ作りに大きな変化。新4K衛星放送スタート間近、BSテレ東などの制作現場を見た – PHILE WEB

BSテレ東 制作局の森田昇プロデューサーは、「(番組を制作する)現場の人間からすると、機材が4K対応になるということ以上に、撮影方法が大きく変わった。現在、そのメリットが一番大きいのがドラマだ」とコメント。「より細かな演出をつけられるようになり、誤解を恐れずに言えば、テレビドラマが映画的になった」と語る。

「映画的なテレビドラマ」。そもそも、そういったコンテンツが求められていないということはもう何回言ったことやろかねぇ。

誰がそんなところまで食い入るようにしてドラマを視聴するのだろうか、そんなことをするのはせいぜい映像機器マニア程度であろう。多くの人々が俳優の会話や大まかな動きからそのストーリを楽しんでいるのではないだろうか。

以前にも言ったことであるが、日本人のテレビ視聴スタイルの大半が「ながら視聴」であり、そのためには番組は「画の付いたラジオ番組」であることが求められている。つまり、視覚と聴覚を長時間拘束されるようなコンテンツは望まれていないわけである。

それ以前に、ハイビジョンどころか標準画質、下手すりゃカラー化以前の白黒で制作された古いコンテンツが今も喜んで視聴されていることも忘れてはならない。そう考えると、仮に高画質化で新たな表現技法が確立されたところで人々の心をつかむことができるコンテンツを作れるかといえばまた話は別であろう。

結局のところ、「4K放送」は「無能なクリエーターの逃げ道」となってしまうだけなのではないだろうか。それ以前に「スーパーハイビジョン」という「技術者のオナニー」に喜んで付き合っているクリエーターもある意味どうかしているが。

そう考えると、音楽における「ハイレゾ」の二の舞になるのは目に見えている。音楽にしても人々は質の悪い録音機で録音されたカセットテープから圧縮音声のMDへ、それからさらに圧縮率の高まったMDLPや128Kbpsの音楽配信を経て、今やYouTubeをはじめとした動画共有サービスに無料で公開されているミュージックビデオへ移行している。

極端な話テレビ東京は地上波との完全サイマル放送をBSで行うほうが余程喜ばれるのではないだろうか。

それは東京キー局各社にも言えることであるが、多くの人々にとっては好きなタレントが出演している関東ローカルの番組や深夜アニメ、地元放送局で遅れネットしている番組が東京とタイムラグなしで視聴できるほうが高画質化よりも余程メリットが大きく、人々から歓迎されるのではないだろうか。

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