古いマシンの延命計画 〜 LOOX U/G90にDebianを入れてみる(Debian 8)

この記事はここに触発されてのものです。

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残念ながらマシン自体はまだまだ快調に動くものの、近年リリースされたOSがあまりにとんでもない性能を要求するがためにゴミとなってしまったマシンをなんかしらの形で延命していこうという企画です。

周回遅れですが、Windows XP、もしくは今後のWindows Vistaのサポート切れなどで使えなくなったマシンを使い続けるための参考情報としてご覧ください。

それでは今回のマシンはLOOX U/G90から。

この記事を見ているみなさんは5年ほど前に富士通からLOOX U/G90というとんでもないマシンが販売されていたことをご存知だろうか。

LOOX U/G90

こうやって見てると、ただのノートマシンではないかと思うが。

LOOX U/G90 VHSテープとの比較

その大きさはVHSテープサイズほど。一昔前のWindows CEを搭載したキーボード付きPDAと大して変わらんか一回り大きい程度のサイズでIA-32アーキテクチャ、すなわち普通のWindowsも動くというとんでもないマシンである。

だがこのマシンの問題点として、非力なCPU(Atom Z520)の上で高い性能を要求するWindows 7をプリインストールした状態で出荷されており、不要なソフトウェアを削除する、不要なデーモンを停止させるなどの工夫をしても前述の通りOS自体が性能を要求するため、標準の状態では残念ながら実用的な動作速度を確保してるとは言いがたい状態であった。

他にも、標準の状態(32GB SSD)で使えるディスク空き容量は半分程度もしくはそれを下回っており、正直プリインストールOSであるWindows 7でこのマシンを使うことはあまり実用的とは言えない状態である。

そのため、ユーザの中にはWindows XPをインストールして使用する者もいたが(BTOでもWindows XPプリインストールモデルが公式に販売されていたようである)、いまやWindows XPは開発元からサポートが打ち切られておりWeb閲覧できるOSではなくなってしまった。もちろんWindows XPでは快適に動くものの、このマシンはInternetに接続してなんぼのもんと思われるため、今回は選択肢から除外することとする。

標準のWindows 7では使い物にならない、Windows XPはWeb閲覧できるOSではなくなってしまった、かといってWindows 8やWindows 10をインストールするとしてもメーカーが公式にドライバを用意していないのと商用ソフトウェアであるためライセンスを新たに購入しなければならないこともありWindows系は除外することとし、今回はDebianをインストールすることとした。

インストールの際に用意するものは以下の通りである。

  • USB接続の外付DVDドライブ
  • LAN/RGB変換ケーブル(FMV-NCBL5)

ちなみに、内臓ストレージに関しては32GBのままでも用途を限定すれば対応できるものの、多少余裕を持って交換しておくと良いかもしれない。

ちなみに、私のマシンは標準状態では東芝のものが搭載されていた。確実な動作を望むのであれば同じメーカーである東芝製のものに交換するのが良いかと思われる。

準備が完了したらインストールを行うが、メディアの作成やインストール方法の詳細に関しては今回は割愛させていただくこととする。外付のDVDドライブに作成したメディアを挿入したらF12キーを押し、CD/DVDドライブを選択するとそこから起動することが可能である。

なお、インストール自体は特に問題もなく普通に行うことができるが、その際「インストールするソフトウェアの選択」の項目から今回は「デスクトップ環境」と「MATE」を指定しておく。

インストール後はnon-freeパッケージもインストールすることができるようにするため、/etc/apt/source.listを下記のように修正する。

#deb cdrom:[Debian GNU/Linux 8.1.0 _Jessie_ - Official amd64 DVD Binary-1 20150606-14:19]/ jessie contrib main

deb http://ftp.jp.debian.org/debian/ jessie main contrib non-free
deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian/ jessie main contrib non-free

deb http://security.debian.org/ jessie/updates main contrib non-free
deb-src http://security.debian.org/ jessie/updates main contrib non-free

# jessie-updates, previously known as 'volatile'
deb http://ftp.jp.debian.org/debian/ jessie-updates main contrib non-free
deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian/ jessie-updates main contrib non-free

前述の通りインストール自体はスムーズに行うことができるが、まずはじめに正常に音が鳴らない問題が発生する。その原因はサウンドデバイスの誤認識によるものであるため、"/etc/modprobe.d/snd-hda-intel.conf"に設定ファイルを作成し、下記の通り記述を行うと正常に音が鳴る。

options snd-hda-intel enable_msi=0
options snd-had-intel model=auto

ひとまずこれで正常にサウンドデバイスが動作するようにはなったが、それでも音がブチブチと途切れ、正常に音が鳴っていると言える状況ではないため、PulseAudioを無効にする。

システム->設定->自動起動するアプリを起動し、「PulseAudio サウンドシステム」を削除する。これで自動起動しないようになるはずではあるが、なぜかしつこく立ち上がってくるため、PulseAudioの設定ファイル(/etc/pulse/client.conf)に以下を追記する。

autospawn = no

これでPulseAudioは起動しなくなるはずであるが、次はMATE上から音量を調節できなくなるという問題が発生する。これに関してはALSA用の音量調節ツールをインストールし、設定を行うことで解決する。

# apt-get install volumeicon-alsa

を実行し、volumeiconをインストールし、システム->設定->自動起動するアプリを起動し、「追加」ボタンを押し、下記のとおり入力を行う。

Volume Icon

「コマンド」に"volumeicon"、名前は適当(容易に識別可能なものであれば)で問題はない。

これでログアウトもしくは再起動を行えばMATE上から音量の調節が可能となる。

次に無線LANを使えるようにする。

# apt-get install firmware-iwlwifi

を実行し、無線LANデバイス用のファームウェアをインストールする。これで再起動を行えば無線LANが使えるようになる。なお、WiMAXに関しては現状対応させる手段がないものの、今後サービス終了が予定されていることからわざわざ労力を費やして対応させる意味は無いと判断し、ここでは対応しないこととする。

これでとりあえず使えるようにはなるが、現状蓋を閉じることでサスペンドができないため(レジュームの際に画面が表示されない)、これに関してはあらかじめMATEのメニュー上で明示的にサスペンドを行うことで対応している。

日本語入力に関しては標準状態でMozcが利用できるようになっているが、これも後にanthyやuim-skkに変更することが可能である。それ以降(ブラウザ、MUA、画像編集、音楽再生、動画再生)はあくまで個人の好みということで割愛させていただくこととする。