総務省がワイモバイル、UQモバイル潰しの有識者会議を開催――「テザリング利用不可問題」を議論するのは本当に国民のためなのか

総務省がワイモバイル、UQモバイル潰しの有識者会議を開催――「テザリング利用不可問題」を議論するのは本当に国民のためなのか – ITmedia Mobile

この間の件にも関連することであるが、おおむね石川氏の言う通りであろう。

会合を傍聴していて気になったのが、「なぜ、そこにこだわるのか」という点だ。特に今回は「格安スマホ事業者だとテザリングが使えない」ということに対して、有識者が問題視していることに違和感があった。

有識者といっても、大学教授がメインなのだが、彼らが格安スマホでテザリングができないことを認識している点に驚かされたし、そこを最初の会合で指摘してくるとは想像にも及ばなかった。

確かに、一部のスマホをMVNOでテザリングしようと思うと非対応なことがあり、ユーザーにとっては迷惑なことでしかないのだが、果たして、これが本当に年末の最終週に総務省で有識者が集い、喧々諤諤の議論をすべき内容なのか、個人的には理解に苦しむのであった。

我々のようなメディアや、スマホに詳しいユーザーが、テザリングができない点を問題視するのは納得感があるが、果たして総務省が首を突っ込む内容なのだろうか。

「テザリングできないから、格安スマホのユーザーが増えない」という状況でもないだろうし、一般的なユーザーからすれば、テザリングを使いたいと思う人は少数派なのではないだろうか。

「MVNOでテザリングができない」というのは以前にここで触れたが、おそらくK社から回線を借り受けているMVNOでA社の端末を使うとテザリングができない件であると思われるが、これに関しては同じK社から回線を借り受けているMVNOでもA社の端末以外を使えば問題なくテザリングができる以上、MNOが機能制限を行っているわけではない。

そう考えると、本来であればMNOであるK社を批判するのは大間違いではないのだろうか。仮に批判するのであればMVNO向けの設定ファイルを作らないA社を批判するべきではないのだろうか。

過去を振り返ってみれば、総務省の議論のおかげで、端末を一括で購入すれば、すぐにSIMロックが解除できるというルールになったことは良い仕事であった。まさに総務省が議題に挙げたからこそ、実現できたといえる。

しかし、これも、恩恵を受けるのは本当にごく一部のユーザーでしかない。

そもそも、iPhoneやMate 10 Proなど、ハイエンドなスマホがSIMフリーで買える時代になっているだけに、一括で購入した端末を、すぐにSIMロック解除して使うという人はかなり限定的なのではないか。

そもそも、SIMロック解除によるキャリアフリー化の議論が出始めたのも前述のA社の端末と当時その端末を唯一独占販売していたキャリアS社の回線品質の問題が大きいわけであり、MNO3社がA社の端末を取り扱うようになり、A社からも公式に日本でキャリアフリー端末を販売するようになり、S社の回線品質も当時に比べると比較にならないくらい改善してきている今となってはそれを求めている消費者は果たしてどれだけいるのだろうか。

今でも根強い人気があり、プレミアも付いているNTTドコモ向けに販売されていたXperia feat. HATSUNE MIKU SO-04Eを周波数的にもある程度問題なく使える他社回線や国外SIMで使いたいという要求が実際に出てきたわけでもない。

それと、実際にキャリアフリー端末を自らの意思でキャリアフリーであることを魅力に感じて購入し、使用しているユーザは果たして日本国内にどれだけいるのだろうか。

そう考えると、SIMロック解除やキャリアフリー化に関する議論は当時のS社の回線品質によるものであり、それが解決された今、多くの人々が今や携帯電話のキャリアフリー化を望んでいるわけではないと言えるのではないだろうか。

ちなみに、他国にも日本のように端末にキャリア制限を付けた上で一定の期間の契約を条件に値引きするような販売方法や契約は存在する以上、キャリア制限が存在する代わりに利用者がより安価に端末を入手できる手段を奪うことは避けるべきではないだろうか。

確かに、頻繁にキャリアを乗り換える人や旅行や業務で頻繁に海外への渡航や滞在を行う人に対してキャリアフリー端末という選択を与えることは重要であろう。だが、それと引き換えに利用者が安価に端末を手に入れるための手段を奪うことは問題と言えるのではないだろうか。

そう考えると、総務省が行う一連の携帯電話業界や市場に関する議論はどこを目指しているのかがよくわからない。

MNOの支配下にあるいわゆる「サブブランドMVNO」にしても実際に付加サービスやサポートを削減したうえでより安価な価格での通信サービスの提供を望んでいる顧客は多かった以上、それをMNOがきちんと顧客の要求に応じて行おうとしていることは評価するべきであり、それを潰すことは逆に消費者の利益を損なう恐れが大きいのではないだろうか。

逆にいえば、現在のMNO一次契約における豊富な付加サービスや手厚いサポートを求めている顧客も多いことであろう。すべてのMNO一次契約の価格が下がる一方で前述の「サブブランドMVNO」化した場合、そういうサービスやサポートを求める顧客にとって逆に不利益となる可能性が極めて高いのではないだろうか。

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