2億台以上が死蔵?なぜ広まらない中古スマホ市場

そもそも、なぜ中古携帯電話市場が日本において発達しなかったのか。

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インセンティブ制度がまだ機能していた時代の日本においても半年以内の機種変更は携帯電話端末の定価に近い価格を請求される。そのような状況であればより安価な中古の携帯電話を購入し、それにSIMカードを刺しかえるなり番号を移しかえるなりして使いたいというニーズはあったと思われるが、それでも前述の通り、日本において中古携帯電話市場が確立したかと言えば決してそういう状況ではなかった。

なぜそうなったのかと言えば、やはりインセンティブ制度と垂直統合モデルにあるのではないかと思われる。

誰が一番悪いとも言えない以上、もう悪者探しはやめよう – ももかん

ここでも何回か触れているが、2010年代頃まで日本においてはキャリアと端末メーカー、コンテンツプロバイダによる垂直統合モデルにより毎年のように新サービスやそれを利用できる新機能を搭載した端末が登場し、通話専用携帯電話の時代から前述のインセンティブ制度を利用した普及促進施策により携帯電話回線そのものの普及や新機能を搭載した端末の普及が速やかに行われていた。

そのような状況では毎年のように新機能が搭載された携帯電話が出てくることは言うまでもない。実際にそのころは実質的な負担が1万円程度から3万円程度で最新型携帯電話を持てるわけで、誰もが故障した際に修理して使い続けることを選択したり、電池の劣化で駆動時間が短くなった場合にわざわざそれを交換せず、新しい端末に買い替えて新サービスや新機能を楽しむことを選択することは言うまでも無かろう。

しかも、そういうビジネスモデルが成り立つ条件が整っていたことも要因と言える。世界的に見ても比較的所得が高く、その格差も少ない日本においては携帯電話の維持にかかる家計に対する負担はそこまで大きいものではない。そのため、携帯電話のポストペイド契約の比率は極めて高く、実質的に携帯電話の利用料金に上乗せして端末代金を支払うシステムであってもそれなりに成り立っていた。

それが国外になると所得格差の問題から難しくなり、仮に新機能を搭載した端末を高額で売り出したところでそれが人々の手に届く価格で無いことや盗難の恐れがあることから売れるはずはなく、欧州のような越境移動が日常的かつ頻繁に行われているような国々においては国ごとの制度や情報通信に係る政策、そしてその国の携帯電話キャリアの方針により自国で利用できる新機能を搭載していてもそれが渡航先の他国で使えるか分からない以上、そういう場合でもやはり多機能端末は避けられることであろう。

そういった国々においては型落ちの通話専用携帯電話でも機能的に過不足は無く、性能の向上に対する要求がない分それが緩やかであったことから旧製品と新製品との性能差はさほどないため、中古携帯電話市場が確立する余地が十分にあった、いやそうならざるおえない状況であったからこそ国外において中古携帯電話市場が発達していったのではないだろうか。

他にも、最近の携帯電話は契約情報がSIMカードに記録されているため、端末の切り替えのためにわざわざ専売店へ行く必要がない。そうなると故障した際の予備として端末を残しておきたいというニーズにも対応できるわけであり、そういう側面でも中古市場に端末が流れないという状況になっているのではないだろうか。

ちなみに、私は中古携帯電話市場に関しては若干拡大する程度であり急速にかつ極端に広まるものではないと考えている。

その理由としては前述の通り、今でもキャリアがインセンティブ制度などで端末の購入補助を行っていることや故障した際の保証の問題、端末自体の機能的な寿命は長くなってはいるものの、いつかはそれが来ることからやはり新品の端末を選びたいというニーズが日本においては多いのではないかという考えからである。

極端な話、なんぼ安かろうがポケットの中に入れておいたら勝手に過熱して再起動するAndroid 2.x時代の端末を今使いたいと思うだろうか。

そのころと比べると幾分マシにはなってはいるものの、日本のキャリアが販売しているAndroid端末の寿命は販売から2年程度、iPhoneにしても特殊事情を抱え、比較的長く続いた4Sでもそのサポート期間は5年ほどであり、古いOSのサポートを打ち切るソフトウェアも数多い以上、いつかは機能的な寿命は来る。

そう考えると、機能的な寿命がより早く来る中古端末よりもより長く使える新品の端末を選びたいという人も多いことであろう。

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